化粧品成分辞典

大豆たん白加水分解物(2)
保湿安定剤
食品用の脱脂大豆を水に分散させて水酸化ナトリウムでpH調整したあと、タンパク分解酵素トリプシンを加えて加水分解したもの。分解後は、ろ過した液体を濃縮冷却し、塩酸を加えます。保湿剤、乳化安定剤として、化粧品に使用されます。
タウリン
保湿
タンパク質が分解される過程でつくられるアミノ酸の1種です。イカやタコ、貝類などに多く含まれ、人体にも広く分布しています。優れた保湿力を有し、外部の刺激から肌を守る皮膚バリア機能を高める働きがあります。
炭酸水素Na
pH調整
パンや焼き菓子をつくるときに膨張剤として使用される重曹(じゅうそう)のこと。pH調整剤として用いられるほか、水をやわらかくする軟水作用もあるため、入浴剤にも配合されています。最近では肌の新陳代謝を高める目的で、炭酸パックにも利用されています。

チアミンHCL
皮膚コンディショニング剤
チアミンの塩酸塩。チアミンは、穀物胚芽や緑黄色野菜などに含まれる水溶性ビタミンで、エネルギー代謝に不可欠の補酵素です。ビタミンB1とも呼ばれています。ビタミンB1欠乏症の予防、治療に使われるほか、皮膚コンディショニング剤としても用いられます。
チアミン二リン酸
皮膚コンディショニング剤
チアミンにリン酸が二つ結合したもの。チアミンはビタミンB1とも呼ばれ、糖のエネルギー代謝に関与する水溶性ビタミンとして知られています。
化粧品としては、皮膚コンディショニング剤として使用されます。
チオクト酸
抗シワ
リポ酸とも呼ばれるビタミン様物質です。糖分からエネルギーをつくり出す過程で酵素の働きを助ける役割をはたします。肉体疲労時の栄養補給に使用されています。また、紫外線によるダメージを低下させる効果があり、シミ・シワ改善効果が認められています。
チミン
皮膚コンディショニング剤
デオキシリボ核酸 (DNA) を構成するピリミジン塩基のひとつです。DNA中で隣り合ったチミンに紫外線(254nm)が当たると、科学的に結合して2 量体(チミンダイマー)が生成され、DNAの損傷が起こります。
チロシン
保湿
タンパク質を構成するアミノ酸の1種。副腎髄質アドレナリンやシミの原因となるメラニンのもとになる物質です。バセドウ病の治療薬として使用されています。化粧品としては、栄養剤として配合されています。

ツボクサエキス
抗老化抗炎症細胞賦活美白
セリ科の多年草ツボクサから抽出した保湿成分。ツボクサはインドのアーユルヴェーダで用いられている薬草のひとつです。皮膚細胞の再生力や細胞
組織の結合力を促す働きがあります。抗酸化作用や消炎作用もあり、スキンケア化粧品全般に使用されています。

デオキシコール酸Na
皮膚コンディショニング剤
胆汁に含まれる胆汁酸の1種であるデオキシコール酸のナトリウム塩です。陰イオン性の界面活性剤に分類されます。化粧品では、皮膚コンディショニング剤として使用されています。
テオフィリン
皮膚コンディショニング剤
茶葉から発見されたキサンチン誘導体です。肌を引きしめてハリをアップする効果が期待されています。皮膚コンディショニング剤として、スキンケア化粧品やボディケア製品などに配合されています。

トコフェロール
酸化防止抗酸化
ビタミンEの誘導体です。強い抗酸化力があり、食品や油脂などの抗酸化剤として汎用されています。皮膚に対しては、血行を促進したり、皮膚細胞の
老化を抑制したりする効果があります。発毛を促す作用も認められ、化粧品や医薬品に広く配合されています。
トラネキサム酸
美白抗炎症
人工的に合成されたアミノ酸の一種です。2002年に医薬部外品の美白有効成分として承認されました。メラノサイト活性化因子であるプラスミンの生成を抑制する「抗プラスミン」作用を持ち、色素沈着を予防・改善に有効です。肝斑治療薬に用いられています。
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル
感触調整エモリエント
カプリル酸およびカプリン酸の混合脂肪酸、グリセリンから合成された油性成分です。天然の油脂よりもさっぱりとした感触で、酸化安定性に優れています。他の化粧品原料ともよく混ざり合い、油性成分やエモリエント剤として汎用されています。
トリエトキシカプリリルシラン
感触調整
分岐した構造を持つシリコーンエーテル(有機ケイ素化合物)です。顔料や粉体の表面処理に用いることで、化粧品に揮発性やクリーミーな感触、
肌触りのよさを与えます。ウォータープルーフ系のメイクアップ化粧品や日焼け止めに使用されています。
トリプトファン
皮膚コンディショニング剤ヘアコンディショニング剤
必須アミノ酸のひとつで、多くのタンパク質に少量ながら存在する物質です。脳内伝達物質セロトニン、ビタミンの1種であるニコチン酸に変化する成分で、生命維持に欠かせません。栄養剤、強化剤として、医薬品や化粧品に使用されています。
トリペプチド-1銅
抗シワ育毛
銅ペプチド。コラーゲンとエラスチンの生成を促す作用があり、シワを防いだり、ニキビ跡を改善したりする働きがあります。また、頭皮に局所的に
使用すると、毛髪の休止期を短縮し、成長期を長くする効果があるといわれています。
トリメチルシロキシケイ酸
基材皮膜形成
架橋構造を持つシリコーン化合物です。なめらかで耐水性のある保護膜を形成する働きがあります。揮発性にも優れており、ファンデーションや
日焼け止めが汗や水で崩れるのを防ぎます。メイク化粧品にツヤを与える油性成分としても使用されています。
トレオニン
保湿
必須アミノ酸の中では最後に発見されたアミノ酸です。動物性タンパク質に多く含まれています。体内ではタンパク質を合成する素材となる成分です。足りないアミノ酸の補給に点滴や経口で投与されるほか、皮膚の保湿剤として化粧品に用いられています。
トレチノイン
抗シワ
ビタミンAの誘導体で、レチノイン酸とも呼ばれています。コラーゲンの生成を促して、肌のハリや小ジワの改善をもたらす効果があります。米国では
ニキビ・シワの治療薬として認められています。
トロキセルチン
皮膚コンディショニング剤
フラボノイドの1種であるルチンの誘導体です。ルチンはタデ科ソバなどに含まれている成分で、かつてはビタミンPと呼ばれていました。血管壁を強くする作用があります。化粧品には、皮膚コンディショニング剤として使用されています。