化粧品成分辞典

サリチル酸
ピーリング防腐
白色の結晶性粉末で、殺菌防腐作用および角層溶解作用のある成分です。かつては医薬品、化粧品、食品などの防腐剤として広く利用されてきました。ふけとり・育毛用のヘアトニックなどにも使用されています。また、軽度のニキビにも有効です。
酸化チタン
紫外線散乱紫外線吸収着色
イルメナイト鉱から製造される白色顔料です。カバー力や着色力に優れています。紫外線遮断作用が高く、サンスクリーン剤の主役でもあります。
メイクアップ化粧品や日焼け止めクリームなどに広く使用されています。

シアノコバラミン
着色
バクテリアの発酵によって得られる結晶または粉末です。赤色やピンク色をしています。コバラミン(ビタミンB12の総称)の1種で、ビタミンB12
欠乏症の予防や治療に用いられます。製品に着色する目的で、さまざまな化粧品にも配合されています。
シクロペンタシロキサン
基剤感触調整溶剤
環状ポリシロキサンであり、揮発性シリコーンオイルです。他の成分と混ざりやすい性質があります。サラッとした感触があり、他の製品のベタつきを軽減する働きがあるため、ヘアコンディショニング剤、溶剤として用いられます。
シスチン
保湿
アミノ酸の1種で、体内で作られるシステイン(アミノ酸のⅠ種)が2つ合わさってできており、肉類や大豆などの食品のほか、髪の毛や爪に多く含まれています。シスチン結合と呼ばれる構造を有し、毛髪の硬さや強さ、弾力性に重要な役割を担っています。養毛剤や皮膚アレルギー疾患の治療、
解毒剤、造血剤などに使用されています。
ジステアリン酸エチレングリコール
基剤パール光沢
エチレングリコールとステアリン酸からなる成分です。製品に光沢や乳濁感を与える効果があり、増粘性も併せ持ちます。シャンプーやリンス、
ボディソープ、洗顔フォームなどに使用されています。
ジステアルジモニウムヘクトライト
増粘
粘土鉱物のヘクトライトに界面活性剤を吸着処理して得られる有機変性のベントナイトです。油性成分の増粘、顔料分散の安定化などの働きがあります。化粧品の硬さを調整したり、使用感を向上させたりする目的で用いられます。
システインHCL
保湿
システインの塩酸塩です。システインは、シスチンが還元されてシスチン結合が切れた状態の物質で、生体内において代謝に重要な役割をはたします。強い還元作用を持つことから、パーマ剤1剤の主成分として利用されています。
シトシン
皮膚コンディショニング剤
リボ核酸(RNA)およびデオキシリボ核酸(DNA)を構成する窒素塩基のひとつです。生物界では、糖およびリン酸のついたシチジンヌクレオチドの形で存在します。化粧品では、皮膚コンディショニング剤として使用されています。
ジプロピレングリコール
基剤保湿防腐
プロピレングリコールを脱水縮合して得られる多価アルコールです。無色透明の粘性液で、ベタつき感の少ない保湿剤として広く汎用されています。
また、製品の香りやのびをよくする目的の柔軟剤としても使用されています。
ジメチコノール
基剤感触調整皮膜形成ヘアコンディショニング
ジメチコンの両末端に水酸基を持つ変性シリコーンです。なめらかな感触を肌や髪に与える効果があり、ヘアケア製品に使用されています。ジメチコンと比較して、より柔らかな感触になっているため、クシどおりが優れています。
ジメチコン
感触調整
代表的なシリコーンオイルです。無色透明な油分で、揮発性、潤滑性に優れています。ベタつき感が少なく、髪や肌になめらかな感触を与えます。薄い皮膜を形成しますが、皮膚呼吸を妨げることはありません。製品の感触を調整する目的で広く汎用されています。
ショウキョウチンキ
血行促進美白抗老化冷感感触調整育毛
ショウガの根茎から抽出したチンキ剤です。黄色味を帯びた褐色の液体で、特有のにおいがあります。毛根や頭皮を刺激する効果や、痒みを止める効果があります。頭髪用化粧品などに用いられていますが、皮膚刺激が強いため使用量が制限されています。
硝酸チアミン
皮膚コンディショニング剤
チアミンはビタミンB1の化学名です。穀物胚芽や牛乳などに含まれる水溶性ビタミンで、アミノ酸などの代謝の補酵素として働きます。ビタミンB1が
不足すると、身体のむくみや疲れやすさが生じます。硫酸塩として、ビタミンB1欠乏症の予防、治療に使われます。
植物性スクワラン
基材エモリエント感触調整
オリーブオイルやコーンオイルなどの植物油から抽出されたスクワランです。サメ由来の」スクワランと比べてサラッとした感触で、肌なじみに優れています。肌をしっとりさせる効果があり、スキンケア化粧品やボディケア製品に使われています。
シラントリオール
感触調整皮膚コンディショニング
シリコーン化合物のひとつです。水に溶けやすい性質があります。肌になめらかな感触を与える働きがあります。化粧品では、スキンコンディショニング成分として用いられています。
シロキクラゲエキス
保湿抗老化抗酸化
白キクラゲの子実体から得られる白色粉末です。白キクラゲはキノコの1種で、中国では不老長寿や美肌の高級食材として珍重されています。
そのエキスは植物性ヒアルロン酸と称されています。保湿、抗老化、抗酸化などの目的で化粧品に使用されています。

水酸化K
pH調整
塩化カリウムの溶液を電気分解して得られます。白色の小さな塊で、硬くてもろい性質があります。別名は苛性カリ。希釈溶液は皮膚表面を軟化する
働きがあります。脂肪酸と混ぜ合わせると石けんになり、乳液やクリームの乳化剤として使用されます。
水酸化Na
pH調整
水溶性のナトリウム水酸化物です。苛性ソーダと呼ばれます。希釈溶液は皮膚表面を軟化する働きがありますが、水酸化Kと比べて緩やかです。石けん
製造の原料となるほか、乳化剤として乳液やクリームに配合されます。
水酸化アルミニウム
皮膚保護剤収れん
アルミニウムの水酸化物です。天然にはギブス石に存在します。粘膜を皮膜保護する働きや収れん作用があります。化粧石けんや歯みがき、ファンデーションや口紅、クリームなどに使用されます。
水素添加大豆リン脂質
乳化効果促進
大豆リン脂質に水素を添加して精製し、酸化安定性を高めたものです。水添レシチンとも呼ばれています。天然レシチンと比較して、酸化や熱に対する安定性が高いのが特徴です。天然の界面活性剤として、幅広い分野で活用されています。
水添ポリイソブテン
基材感触調整光沢溶剤
イソブテンとn-ブテンを共重合させた後、水素添加して得られる炭化水素化合物です。揮発性のある油分で、肌や毛髪にツヤや光沢を与えたり、感触をよくしたりする効果があります。油相成分として、化粧品やヘアケア剤に使用されます。
水添レシチン
乳化効果促進
リン脂質を含む大豆に水素を添加し、精製することで酸化安定性を高めたもの。別名は、水素添加大豆リン脂質。天然レシチンと比べて、酸化や熱に
対する安定性に優れています。天然由来の界面活性剤として、さまざまな分野で多目的に活用されています。
水溶性プルテオグルカン
保湿
サケ(鮭)の鼻軟骨から抽出して得られる繊維状の固形物「プロテオグリカン」を水溶化させた糖とタンパク質の複合体。コラーゲン産出促進作用、
細胞不活作用などがあり、皮膚の新陳代謝を活発にして、若々しくうるおいのある肌を取り戻す効果が期待できます。
スクワラン
基材エモリエント感触調整
サメ類の肝油から得られるスクワレンに水素添加して安定性を高めたものです。サラッとした感触のオイルで、皮膚刺激がほとんどなく、エモリエント効果に優れています。高級化粧品には欠かせない成分のひとつです。
ステアリルアルコール
基材乳化感触調整
鯨のロウや油を還元して得られる高級アルコールです。白色のロウのような感触の固体で、皮膚を保護してなめらかにする効果があります。乳化製品の白色化を促進し、適度な光沢を与えることから、クリーム類に使用されています。
ステアリン酸グリセリル
乳化分散
ステアリン酸とグリセリンを結合して得られる界面活性剤です。乳化剤として古くから用いられてきました。歯みがき粉の柔軟剤や石けん、シャンプーの過脂肪剤としても配合されています。
ステアレス-20
乳化
ステアリルアルコールに酸化エチレンを約20モル付加して得られます。安定的な非イオン性界面活性剤です。乳化力に優れているため、乳化剤として
乳液やクリームなどの化粧品に配合されています。
ステアロイル乳酸Na
乳化
ステアリン酸と乳酸のナトリウム塩をエステル化して得られる、アニオン界面活性剤です。乳化剤として、スキンケア化粧品やボディケア製品などに
配合されています。毛髪への吸着作用があり、コンディショニング剤としても使用されています。
ステアロイルラクチレートNa
乳化
ステアリン酸と乳酸のナトリウム塩をエステル化して得られる成分です。アニオン界面活性剤で、乳化剤としての機能があります。
別名ステアロイル乳酸Na。乳化剤やコンディショニング剤として用いられています。
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース
増粘安定剤表面処理
セルロースのメチルとヒドロキシプロピルの混合エーテルです。増粘剤、エマルジョン、サスペンジョンの安定剤、表面処理などの目的で使用されています。化粧品だけでなく、工業や農業、医薬品、食品など幅広い分野で用いられています。

セイヨウヤブイチゴ果実エキス
抗炎症抗酸化
セイヨウヤブイチゴ(ブラックベリー)の果実から抽出されるエキスです。肌の炎症や腫れを和らげるビタミンEやポリフェノールなどの抗酸化物質が
豊富に含まれています。整肌成分としてスキンケア化粧品に配合されています。
セージエキス
抗炎症抗菌抗酸化収れん血行促進抗シワ消臭
セージから得られるエキスです。セージはシソ科の多年草で、ヨーロッパでは薬草として古くから用いられていました。そのエキスには、抗菌作用、
収れん作用、鎮静作用、血行促進作用などがあり、スキンケア化粧品や口腔清涼製品、浴用剤などに使用されています。
セタノール
基材乳化感触調整
鯨のロウや油を加水分解して得られるアルコールを分留してつくります。白色のロウのような光沢感のある固体で、クリームや乳液に配合すると安定性が向上します。皮膚に対するエモリエント作用のほか、クリームに白色とツヤを与える効果もあります。
セラミド 1
保湿
細胞と細胞の間を埋める角質細胞間脂質の結合を強化し、外部刺激に対するバリア機能を高める働きがあります。皮膚の弾力性や細胞間の結合性を改善する機能があり、老化した肌や乾燥肌向けのスキンケア化粧品に使用されます。
セラミド 2
保湿
皮膚および毛髪に存在するセラミドと同じ構造を持ちます。セラミドの中でも、特に保水機能をサポートする役割をはたしていることが認められています。保湿剤、肌荒れ防止剤として、スキンケア化粧品に配合されています。
セラミド 3
保湿
皮膚に存在するセラミドと同じ構造を持ち、保湿効果やバリア機能回復効果に優れたセラミド成分です。皮膚のバリア機能を改善し、水分を長時間保持する働きがあります。外部刺激から肌を保護したり、傷んだ髪を改善したりする目的で使用されています。
セラミド 6Ⅱ
抗シワ
ターンオーバーのリズムを整えて、皮膚から角片(アカ)がスムーズに剥がれ落ちるのをサポートし、皮膚をなめらかに柔軟にする働きがあります。
シワを軽減する機能があり、エイジング肌に適しています。
セリン
保湿美白
絹のタンパク質であるセリシンに多く含まれている、非必須アミノ酸のひとつ。グルコース(ブドウ糖)から生合成され、さらに分解するとグリシンが生成されます。保湿力が高く、肌を柔軟にして、ハリと弾力を与える効果があります。
セルロースガム
増粘安定化感触調整
水溶性セルロース誘導体のひとつ。皮膚刺激やアレルギー反応がなく、無害な成分です。粘度調整や乳化安定を目的として、ローションや乳液、
クリームなどに配合されています。化粧品のほか、食品や洗剤、製紙製品、塗料など幅広く使用されています。
センブリ抽出液
細胞賦活血行促進育毛
リンドウ科の植物センブリは、漢方では「当(まさ)に」という意味で、当薬と呼ばれています。古くから苦味健胃薬として、消化不良や食欲不振に
用いられてきました。皮膚に対しては、皮膚細胞の代謝改善、発毛促進などの効果が認められています。

ソルビン酸
防腐
脂肪酸の一種で、白色の結晶粉末です。防腐、防カビ目的により配合されています。化粧品の場合、0.5%までの添加が認められています。
ソルビン酸K
防腐
ソルビン酸のカリウム塩です。白色から淡黄褐色のリン片状結晶粉末で、無臭もしくはわずかなにおいがあります。主に食品・飲料の保存剤・防腐剤として用いられ、化粧品の添加物としては減少傾向にあります。